吉国さん>
>日本学術会議やマートンは、科学をここまで社会(大衆)から乖離させドグマ化させた、専門家集団という特権階級の牽引者ではないのか。(12522 吉国さん)
確かにマートン流の科学社会学は、科学という営みの独自性を強調しようとするあまり、科学者や科学者集団を理想化ないし美化する傾きがあることは否めないと思います。かつ蘆原さんが5229 で仰ってるように「科学者集団の自己閉鎖性と自己充足性」の基になっているのかもしれません。
しかし、科学に特有の倫理観や規範を見いだそうとしたマートンの問題提起は、科学固有の問題領域を設定したという意味で歴史的に重要な意義をもっていたんじゃないかと…。皆さんが仰ってるように、科学の起源が市場の成立とほぼ同一であり、科学の問題性の根本原因も市場拡大と強く関連していると思います。倫理、規範を超えた科学の進歩に対して、おそらくその起源であるキリスト教の世界観を再び持ち出して制御したのではないかと思うのです。(これ自体が最も大きな問題だとは思いますが…)
危険だと思うのは、このような世界観もなしで日本学術会議が公表したマートン流「科学者憲章」だと。
科学は、その起源から問題をもち、発達段階でも問題があると思います。でも一番いけないのは、日本という独自の文化を持ちながら西洋的な倫理観や規範さえも真似る精神じゃないかと思いま
す。
高田敦
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