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西欧科学は狂っている

   

教科書に書いていないことをやるのが研究 ~「洗う」を変えた50年目の大発見~ 2/2

(続き)


□教科書に書いてないことをやろう
このバイオIOSの大量生産に向けたスケールアップを担ったのが加工・プロセス開発研究所の藤岡徳だった。
「文字通り戦場でした」

藤岡はそう振り返る。バイオIOSの次の問題は、工場での生産である。「想定や計算通りに能力がでない」という事態に陥った。まったく新しい基剤であり、データや蓄積もない。期限が刻一刻と迫る中、チームは追い詰められていった。

藤岡が言う。
「一番苦労したのは昨年の工場での実機設備の試運転です。ここが一番修羅場で、生産数量を出さなければならないのに、能力を出せない。何度も失敗を重ねて、仮説と検証を繰り返し、もうダメだ、っていうギリギリのところで成功させた瞬間は、今でも目を閉じたら全部鮮明に思い浮かべられます。みんなで喜ぶ顔もです。だから、そのときの仲間は戦友です。戦友以外の言葉で表現できないですよ。その戦友づくりが僕にとってはこの会社で仕事をする上での大きなやりがいになりました」

坂井がこんな話をする。

「研究に行き詰まった時、誰彼となく、『研究って何だっけ』と、悩む人が出てきます。すると、必ず丸田芳郎さんの話をする人がいるんです。丸田さんの話をして、『原点に帰ろうよ』とね」
丸田芳郎は京都大学工学博士で、1971年に花王の社長に就任した。
「きちんと正しく分かっていることで戦えよ」が口癖で、基礎研究の重要性を説き続けた人物である。作家の城山三郎が、『梅は匂い 人はこころ』という小説で若き日の丸田を描いてい

坂井が入社したとき、丸田は会長で、「お客さまに本当に価値ある高品質なものをお届けするのがうちの使命ですよ」と社員に言い続けたという。経営者であり、科学者でもある丸田らしい経営哲学だった。

2011年に入社した前出の堀は、「川上から、末端の製品のラインまで持っている花王だからこそ、あらゆるものに対して責任を持てます」と話す。和歌山に工場がある理由は、港と直結するからだ。バイオIOSの原料となるこれまではほとんど使われてこなかったパームヤシの実にある固体部分も、貨物船で直接運ばれてくる。実は原料の開発から行う洗剤メーカーは世界的にもほとんどない。

原料から商品まで一気通貫で思考する。それが花王のものづくりへの思想であり、50年ぶりの発明を可能にしたといっても過言ではない。



昆陽
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