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近代科学を切開する

   

ニュートン「プリンキピア」 公理、または運動の法則 注解 ( 日本語訳 )

リンクから引用

速度が固有力に逆比例する諸物体は衝突や反撥において同等ですから、機械装置を動かす際に、力の方向に向かう速度の見積もりが力に逆比例するような作動部分は等価であり、反対方向の労力を互いに支え合います。 同様に天秤が揺れている時、その上下方向に逆比例するおもりは、天秤の両ヒジに対して等価です。 
すなわち、上下動が真っ直ぐであるときには、天秤の軸からおもりが吊るされている点までの距離に逆比例するようなおもりが等価ですが、斜面とかその他の障害物を置くことによって、斜めに上下するときには、鉛直線に沿ってとられた上り下りに逆比例するものが等価になります。 これは下向きの重力を決定するという理由からです。 
また同様に滑車やそれの組み合わせにおいても、重量(物)がまっすぐに上がってくる時でも斜めに上がってくる時でも、その重量に対する比が、(重量物の)鉛直に上昇する速度 対 手が綱を引く速度の比に等しい、綱を鉛直に引く手の力が、その重量を支えるでしょう。 
車輪を組み合わせて作られた時計とか、似たような仕掛けでも、諸車輪の運動を進めたり妨げたりする反対方向の力は、それらが力の及ぼされる車輪の部分の速度に逆比例するときには、互いに支えあうでしょう。 
ネジが諸物体を押す力が、(ねじ回しの)柄を回す手の力に対する比は、柄の手で動かされる部分の円速度 対 ネジの圧される物体に向かって進む速度の比に等しくなります。 
くさびの裂かれた木材の2つの部分を押す力がくさびを打つ木槌の力に対する比は、くさびに加えられる力の方向におけるくさびの進み 対 木材のくさびによって裂かれた2つの部分がくさびの側面の垂線方向に進む速度の比に等しくなります。 そして同様な説明があらゆる機械について与えられます。

機械の効能とか用途は次の点だけにあるものです。 すなわち速度を減らすことによって力を増せること及びその逆、です。 ここからあらゆる有用な機械において生ずる問題、「与えられた重量を与えられた力で動かすこと」、あるいは与えられた力である与えられた抵抗に打ち勝つこと、の解が得られます。 
なぜなら、機械がその作動部分や抵抗部分の速度に逆比例するように工夫されていれば、その作動部分は抵抗部分と釣り合うでしょうが、速度により大きな差異があれば抵抗部分に打つ勝てるからです。 そして速度の差異が非常に大きくあらゆる抵抗に打ち勝つほどであるとしますと、そういった抵抗は、接触して互いに滑り合う物体の摩擦とか、隔てられていなければならない連続物体が凝集して離れないためとか、持ち上げられねばならない物体の重量とかから生ずるのが常ですが、その抵抗全てに打ち勝った後でもなお残っている力は、それに比例す運動の加速度を、一部は機械の各部分において、一部は抵抗物体において、生ずるでしょう。しかし機械仕掛けを扱うことは当面の仕事ではありません。 
私はただこれらの実例によって運動の法則Ⅲがいかに広い範囲にわたりいかに確実なものであるかということを示そうと思ったに過ぎません。 と申しますのは、作動部分の作用をそれに働く力と速度の積から見積もり、また同様に抵抗部分の反作用をそれの個々の部分の速度とそれらの摩擦、凝集、重量、加速度から生ぜられる抵抗力との積から見積もりますと、あらゆる機械仕掛けを使用するさいの作用と反作用はいつもたがいに相等しいであろうからです。 また作用が装置を介して伝えられ、最後にはあらゆる抵抗物体に及ぼされるかぎり、結局の作用の方向は常にその反作用の方向と反対であろうからです。

ニュートン 自然哲学の数学的諸原理 河辺六男訳 中央公論社 昭和46年発行 より転載



千田祐介
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